気づきのトピックス イベントレポート 「日本の企業にプロ契約を」プロジェクトレポート 泉水 隆氏 石井義庸氏 佐藤留美氏
政府が積極的に副業・複業を推進しているなか、企業と個人をつなぐプラットフォームが続々と誕生している。
プロ人材マッチングサービスを手掛ける「CARRY ME」によって発足した「日本の企業にプロ契約を」プロジェクトもそうした動きの1つだ。
活動をとおして、個人が能力を生かして自由にキャリアを選択する「プロ人材」としての働き方を推進するという。
1月26日に開催された発足イベントのなかでのトークセッションの様子をお届けしよう。
プロ人材の活躍は企業や社会にどのような価値をもたらすのか。今回新たに「プロ人材」の募集を開始した企業担当者を含む、3人の有識者が考えを述べた。
日本の雇用形態やキャリア形成の現状と課題
泉水
コロナによって働く環境が大きく変わるなか、「毎日出社して会議に出る」といった仕事をしていた人が淘汰され、本当の意味でのアウトプットが求められ、成果主義に変わっていくのがいまだと認識しています。
石井
人材サービスを行っている弊社から見ると、企業は組織の多様化を希望しているけれどなかなか進められず、個人の能力も生かしきれていない現状があります。一方、働き手もキャリアアップや人事をどう考えればいいのかわからない。このような状態をサポートするサービスやしくみの整備も弱いのが現状です。
佐藤
配属や異動など、日本の人事は会社が主体で決めるもの。そのため自分でキャリアを自律的に決めるという風潮が広がりにくい現状にあると思います。
「マーケターになりたい」など、個人の希望を応援してくれる企業もあります。ですが、目先の仕事を残業してでもやってくれる人を評価する、という企業もまだ多いでしょう。個人の学びや市場価値を高めることを応援するムーブメントが足りないのではと考えます。それでは優秀な人材をとどめることはできません。