おわりに 良質なアウトプットがもたらす、個人と組織にとっての価値
「アウトプット」がもたらす成果とは
「アウトプット」と聞き、何をイメージするだろうか。企画書や提案書、またはプレゼン内容など、物質的なものやテクニックが連想されるかもしれない。『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)の著者である樺沢紫苑氏によると、アウトプットとは「現実世界を変えるものであるという。
本特集の取材により、良質なアウトプットは業績的な成果だけではなく、個人と組織を変化させ、様々な恩恵をもたらすことがわかった。アウトプット力を高める重要性やその取り組みを以下に振り返ってみよう。
自分の「仕事の本質」を考え抜く
「書く」「話す」「つくる」といったアウトプットにおける技術を高めるためには、ただやみくもに実践を重ねればいいというわけではない。テクニックを覚えるより前に、出力するための土台である「情報」の扱い方と扱ううえでの視点が重要だ。
●1次情報を取りに行く
自分のもつ情報を整理することで、まずは「情報不足」であることに気づく重要性を説くのは、OPINION4の浅田すぐる氏だ。アイデアを紙に書き出す過程で「情報の断片であるキーワードと自分の考えがいっしょくたになっていないか」を確認し、整理してみよう。
不足していることがわかったら、次は情報の取得である。OPINION2の前田鎌利氏は、「ネットの検索情報ではなく、1次情報を確認していく姿勢が大事である」と強調する。前田氏はソフトバンク時代、売り上げが低迷していた店舗に足を運んだことで、データからは見えない事実を確認し改善につなげることができた。