おわりに イマジネーションと緻密さ
グローバルを肌で理解する
経営型人事になるために、何をすればいいのか。冒頭で、個別解が必要だと述べたが、グローバル化の影響を受けるか否かで、その解は、大きく異なる。もし、グローバル化に対応する必要があるならば、人材開発担当者として海外のHRの考え方を勉強し、実際に海外の人事を実務レベルで担当してみることが大事だろう。人事にかかわる方には当然かもしれないが、人間はライブのもの、オフィスにこもっていても理解できない。海外であれば、なおさらだろう。OPINION2の松浦民恵氏(P.48)は、日本企業の人事制度は特殊で、外国人には理解されない、と述べていた。だが、何がどう特殊なのか、肌感覚での理解なしに、彼我の違いを踏まえて外国人に受け入れられる制度をつくることはできないだろう。グローバル人事を見据えるならば肌感覚での理解が欠かせない、ということを強調しておく。それとは別に、今回の取材で経営型人事に求められることとして浮かび上がってきた共通のキーワードは、多様性とタレントマネジメントであった。