第13回 KDDI「LINK FOREST」(東京都・多摩市) 稲水伸行氏 東京大学大学院 経済学研究科 准教授
どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏が
企業の研修施設をめぐり、学びを促進させる工夫を解説する。
郊外にそびえ立つ人財開発の牙城
多摩センター駅を下車し、右手の緑豊かな高台をのぞむと目に入る7階立てのビルが、KDDI の研修施設「LINK FOREST」だ。
2019年に設立されたLINK FORESTは全階層の集合研修、オンライン研修の両面に対応できる研修施設である。
企業の研修施設としては類を見ない規模であるが、そのうえ同社の人財開発担当者の様々なアイデアが詰め込まれた画期的な施設として誕生した。まさしく、人財開発の牙城とも呼ぶべき存在である。
「人と人の絆を感じる場」を体現
LINK FOREST は、大ホール(1F)、アートギャラリー・ミュージアム(2F・P60参照)、各種研修室とラウンジ(3~4F)、宿泊施設(5~6F)から構成されている。
さらに、各フロアでは、LINKFOREST が掲げる「ご利用のみなさまが心穏やかになり、深く語らい合う中で、人と人の絆を感じるような場を提供したい」というコンセプトが随所に散りばめられている。まずは、内部を紹介していこう。