MOVIE 人事に役立つ映画 寅さんはカリスマ経営者か? ダメ人間か? 樋口尚文氏 映画評論家 映画監督
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国民的ヒットシリーズの『男はつらいよ』の、まさかの新作が1969年の第一作公開から半世紀たった2019年公開された。ただし、半世紀といっても、そのおよそ半分は主演の渥美清の逝去によって新作がつくられていない。だから、この度の『男はつらいよ
お帰り 寅さん』公開の驚きは、まず渥美清が不在なのになぜ新作をつくることができるのか。そして、なぜ四半世紀近く途絶えていたシリーズの新作をつくることができるのか、ということであった。
そんな意味でいったいどういう映画になっているのか見当もつかなかったが、観てみるといろいろと納得できた。未見の方に差し障らない程度に言うと、今回の映画の主役はシリーズでもっとも若い孫世代の満男(吉岡秀隆)とイズミ(後藤久美子)で、すっかり大人になって悩みも多い彼らが折にふれ「こういうとき、おじさんだったら」と寅さんのことを思い出す、という物語なのだ。