第10回 人事担当者が注目すべきビジネス~5Gビジネス 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業部 部長
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読みとく書籍を紹介する。
5Gで何が変わるのか
人事担当者が知っておきたい注目ビジネスとして、前号ではMaaS(Mobility as a Service)を取り上げた。今号は、5G にスポットを当ててお届けしよう。
5G は2020年春にサービス開始が予定されている第5世代移動通信システムの略称である。ニュースでも、AI 同様、5G の話題は非常に豊富である。つい最近も、米金融大手JPモルガン・チェースが「アップルが2020年に5G 対応のiPhone を発売する見通し」との予測を公表し、話題を集めたばかりだ。
5G は高速大容量への対応が目玉であり、BtoC、BtoB にかかわらず、動画を活用したマーケティング展開が一気に活性化することが予想される。YouTubeマーケティングにはいっそうの注目が集まるだろう。
イチ消費者の立場から見ても、動画コンテンツの利用は相当快適性を増す。スマホを利用したe ラーニングを導入している企業も多いが、ユーザーの利便性は高まるだろう。
5G を理解するうえでは、総務省「5G の今と将来展望」に目を通しておくとよい※1。総務省は「ローカル5G」政策も打ち出している。映像配信のみならず、IoT、スマートファクトリー、スマートシティ、自動運転、遠隔操作といった今後成長が間違いない分野において5G を積極活用する考え方であり、地域特性なども考慮しながら小規模な通信環境を自前で構築できる。ICT 環境の進化はビジネスチャンスを格段に拡げる。
市場の成長性については、IT 専門調査会社のIDCジャパンも調査を行っているので参考にしてほしい※2。
“5G人材”が必要な時代に
前回のMaaS 同様、5G が自分の業界に与える影響については、イメージしておいた方がよい。5Gとビジネスを掛け合わせることができる人材はどの業界でも重用されるはずだ。
5G を理解するうえで読んでおきたい書籍は以下に大別される。
① 5G を主体に書かれた入門書