Chapter1 調査から見る 社員が会社を好きな理由 4000人アンケートで探る なぜ「会社が好き」なのか
「会社が好き」と感じている人は、なぜ会社が好きなのだろう。
「会社が嫌い」と感じている人は、なぜ会社を好きになれないのだろう。
会社に関する本音から、見えてきた要因を紹介する。
本調査では「会社の好き・嫌い」は、いったい何に影響されるのか、その理由を探るために、企業で働く会社員4,124名を対象にアンケートを実施した。まず、「会社が好きか」について「とてもそう思う」「そう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」「まったくそう思わない」の6段階で回答してもらい、次に「仕事」「上司」「同僚」「職場」といった各テーマに関する全148の項目についても同様に、満足度を6段階で回答してもらった。そのうえで、「会社が好き」と各項目についての相関係数を算出。会社員が抱く「会社が好き・嫌い」という感情は何に左右されるのか、その傾向を見いだした。
本題に入る前に、まずは参考まで、「会社が好き」と回答した人の割合を紹介する(図1)。「まあそう思う」を含めたポジティブな回答は、全体の44.7%という結果になった。
会社が好きな人はなぜ会社が好きなのか、そうでない人は何が理由で会社を好きになれないのか、その相関を見ていこう。
「会社が好き」な人は「自分の仕事が好き」な傾向
まず、「仕事」「職場」「上司」といったテーマごとに、「会社が好き」との相関関係を表すと、図2のようになった。一番相関関係が見られたのは「仕事」に関する項目。次いで「職場」「事業やサービス」となった。
「仕事」に関して、具体的には何が一番「会社が好き」と相関しているかというと、「①現在の自分の仕事が好き」ということである(図3)。以下、「②やりがいを感じられる」「③満足している」「④達成感を感じられる」と続いている。「⑦自分の意見を尊重してもらえる」「⑩自分の仕事が認められていると思う」といった“承認されている”という実感や、「⑤成長を実感できる」「⑪学び成長する機会がある」など“成長”につながる項目も、「会社が好き」と比較的強い相関が見られた。
一方、「会社が好き」との相関がもっとも見られなかったのは、「⑳仕事で肉体的に疲れを感じていない」である。この設問に対しては全体の54%と半数以上の人がネガティブ(「あまりそう思わない」「そう思わない」「まったくそう思わない」)に回答していたが、会社の好き・嫌いにそれほど影響を与えないようだ。また、「⑲自分の仕事が会社のなかでどのような位置づけにあるか、理解できる」については全体の8割強の人がポジティブ(「とてもそう思う」「そう思う」「まあそう思う」)に回答していたが、こちらも会社の好き嫌いとはそれほど相関が見られないという結果になった。
ちなみに「会社が好き」ともっとも強い相関が見られた「①現在の自分の仕事が好き」という項目だが、その「仕事が好き」ともっとも強い相関が見られたのは、「⑥現在の仕事は、自分の強みを活かすことができる」(相関係数0.75)だった。自身の強みを生かせる仕事に従事することで、社員は「仕事が好き」になり、それが「会社が好き」につながっていくといえそうだ。