CASE2 仕事旅行社 手軽にできる越境的学習 大人の短期職業体験で 仕事基礎力を磨き “働き方迷子”から抜け出す 内田靖之氏 河尻亨一氏 仕事旅行社
「今後も今の仕事を続けていくべきかわからない……」「仕事にやりがいを感じられない……」など、仕事やキャリアにまつわる悩みはつきないものだ。
そうした悩みの処方箋として、短時間の職業体験「仕事旅行」という手がある。
仕事をするうえでの基礎力を磨く効果もあるらしい。どんな旅なのかを見てみよう。
働く大人のための職業体験
大人向けに半日~1日などの短期の職業体験を「仕事旅行」と称して提供している会社がある。受け入れ先には全国約180カ所から、イルカトレーナー、ねぶた師、左官職人など、珍しい職種・職場が多く並ぶ。
「社会人になると、異なる業界の職場をじっくり訪問する機会はなかなかありません。しかし、普段とは違う仕事を体験する機会は社会人にこそ大きな意味をもち、働き方を見つめ直すきっかけになるのではないかと考え、2011年からサービスを立ち上げました」(取締役の内田靖之氏)
参加したいユーザーは、Webサイト上で希望の職場やプログラムを選んで申し込む。訪問先では実際の仕事体験はもちろん、その職場で働く人が大事にしていることや、仕事のつらさ・醍醐味等について話を聞くことができる。
同社のブランディングを担当する河尻亨一氏は、サービスの特徴や、学びを喚起するうえで意識していることについてこう語る。
「気軽に『越境気分』を感じられる、というのがまず1つ、大きな特徴です。留職や留学などの“越境学習”には費用や手間がかかるものも多いですが、『仕事旅行』では半日~1日と短期のプログラムがほとんどです(図1)。