おわりに 組織は常に、存在目的に立ち返る
最後に「動ける・変われる組織」へのヒントについて一端を述べておく。まず、「ティール組織」(P18)、「自然(じねん)経営」(ホラクラシー・P22)、そして「パルテノン型組織」(P26)では組織の存在目的が重要だった。「世の中にプラスに作用する会社」(ダイヤモンドメディア武井氏)であるかが大前提だ。個々に自己決定権があり、主体性や感情も含めた個性を発揮できるかということも重視されている。そのため、個々人が課題だと感じたことに取り組むことが自然であり、ゴールから逆算した戦略計画や目標は明確に定めない、もしくは随時変えていくという。
SAPジャパンの南氏は、組織の存在意義と自己決定権は重要だが「大規模組織でビジネスを進めるなら目標は明確であるべき」と一部、異を唱える。組織目標の達成が、組織の存在意義そのものであることを指摘。目標の遂行にあたっては意思決定を速めるため複数人の機能別リーダーを立て運営していく形を薦める。