おわりに まずはアンテナを立てよう
企業で新しい学習技術の導入がなかなか進まないのは、その利点があまり理解されていないことに起因すると考えられる。
mラーニングや、その他のWebを介する学習は、スキマ時間に好きな場所で学んだりと、従来よりも学習の機会を増やすツールであることは広く理解されている。
しかし今回の取材で、そうした新しいツール(を使った学習)の利点はそれ以上──現在の企業内教育を変える力をも持っていることがわかった。
研修の形も変わる
例えばローソン(36ページ)では、新入社員を対象に2013 年から、集合研修の事前学習として基礎知識をタブレットで学んでもらうようにした。そのことで集合研修では、研修前に学んできてもらった知識の応用に集中できるようになった。結果として、総合的に教えられる内容が増え、深さも増した。自動的に、集合研修の内容・方法も変更することになったという。
これまでも、企業内教育ではeラーニングや通信教育等と集合研修のブレンディングは行われてきた。しかし同社の事例は、PCを貸与されない新入社員にもタブレットを配付し学習機会を与えていることや、そのことで集合研修では「応用」に特化するようになったところに新規性がある。