第3回 GAFAとこれからの時代 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業部 コンサルティングサービス部 部長
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読みとく書籍を紹介する。
衝撃を与えたインターネットの登場
2019年、平成は最後の年を迎える。この30年を振り返ると、最大のトピックは、やはりインターネットの登場ということになるだろう。
1996年に普及したインターネットは世界中に大きな影響を与え、それから20年の間に、生活の向上や産業の発展において、もはや欠かすことができない存在となった。この巨大コンピューターネットワークは、多くのテクノロジー企業を生み出し、そのうちいくつかの企業は、世の中を変える存在にまで成長している。
今回ご紹介したいのは「GAFA」である。これは「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」の頭文字の集合体である。
Google の検索にお世話にならない日はなく、Apple 製品はファンに限らず世界中から注目され、Facebookには個人について知るためのヒントが溢れている。Amazon はもはや書店、小売りの枠を遥かに超え、気がつけばサーバー事業者としての側面も有している。
注目すべきGAFAの影響力
2018年8月には、Apple社の時価総額が米国企業として初めて1兆ドルを突破したという記事がメディアをにぎわせた。これは日本の最大手企業の約5倍の規模感である。
Googleを傘下に持つAlphabet(アルファベット)社やAmazon も同レベルの戦いを繰り広げている。事業戦略は各社各様だが、業種業界に関わらず、GAFA の影響力には注目しておく必要がある。
これからのビジネスを先読みするためにも、GAFA の注目領域やどういった企業を傘下に収めているかを見ておくべきだろう。
社内研修等で、「GAFAの進化と当社とのかかわり」といったテーマは取り上げていくとよい。「うちはあまり関係ないかな」などとは言っていられない時代になってしまった。
ここでGAFA 関連の書籍を分類しておこう。