Chapter 2−2 探究学習事例 探究学舎 「興味開発」 というアプローチで 驚きと感動の種をまく 探究学舎
続いて紹介するのは、東京・三鷹の探究学舎である。
教科は一切教えず、子どもの興味を育てる探究型の授業だけを行うこの塾には、春休みや夏休みになると、日本全国だけではなく海外からも大勢の親子が授業を受けにやってくる。
“ 子どもが輝く魔法の授業” を見学し、大人の探究学習のヒントを探った。
子どもが熱狂する魔法の授業
「坂本龍馬ってどんな人?」
授業冒頭、探究学舎代表の宝槻泰伸先生が問い掛けると、子どもたちは競うように手を上げて次々に答えていく。
「知ってる! 薩長同盟」
「生まれた時、背中にたてがみが生えていたから龍という字なんだよ」
今回見学させてもらったのは、小学校低学年クラスの明治維新編5回目の授業。ついに坂本龍馬が登場し、クライマックスに向かっていく回だ。小1から小3までの子どもたちと見学の保護者や兄弟で満員の教室では、授業開始直後から活発に意見が飛び交い、熱気にあふれている。
龍馬の生家の職業当てクイズで盛り上がったところで、裕福だった坂本家に生まれた龍馬が、なぜ命を懸けて世の中を変えようとしたのかに話は及ぶ。そして土佐藩の厳しい身分制度を学んだところで、すかさず先生が問い掛ける。
「みんなが郷士の子どもだったらどうする?」
「私だったらそんな状況に我慢できない」