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Image by Sakosshu Taro / PIXTA(ピクスタ)

SDGs浸透で
変化する人と組織

SDGsへの取り組みは、人と組織が成長する機会です。社員一人ひとりの自分ごと化が進むことで、意識や行動が大きく変わった企業を取り上げます。

2022年02月10日

第4回:
ダイバーシティの本質とは、多様な視点を集め、組織にイノベーションを起こすこと

ビジネス環境変化への柔軟な対応やイノベーション創出が求められる現代において、多様な人材の価値や発想を活かそうという「ダイバーシティ」の重要性はますます高まっている。しかし、ダイバーシティへの意識が十分に浸透しているとは言いがたいのが現状だ。 ダイバーシティの本質とは何か。SDGsとどのようにつながっているのか。ダイバーシティの第一人者であるイー・ウーマン代表の佐々木かをり氏に聞いた。

ダイバーシティ経営の4つの柱

上場企業向けのコーポレートガバナンス・コードが改訂され、今やダイバーシティは経営の最重要課題となっている。「ダイバーシティ」と言えば、「女性活躍」といった文脈で語られることが多いが、それだけではないと組織のダイバーシティを可視化する「ダイバーシティインデックス」を発案したイー・ウーマン代表の佐々木かをり氏は話す。

「ダイバーシティとは、多様な視点を集めて組織にイノベーションを起こすことです。ダイバーシティを通じてイノベーションを起こすところまでが、ダイバーシティ経営だと経営者の皆さんにいつも申し上げています。多様な視点とは女性とは限りません。私はよく、『三人寄れば文殊の知恵』ということわざをたとえに出すのですが、これはいろいろな知恵が集まることで多様なアイデアが生まれ、より良い社会になるという意味です。ダイバーシティは新しい概念のように思われがちですが、このことわざはまさに、ダイバーシティの本質を表していると思います」(佐々木氏、以下同)

佐々木氏によれば、ダイバーシティ経営には、4つのキーワード(図1)が重要であるという。



図1:ダイバーシティ経営の4つのキーワード ダイバーシティ経営の4つのキーワード

1つひとつ見ていこう。

1.ダイバーシティ(Diversity)

ダイバーシティのスタートは、組織に多様な人材を採用することであり、多様な人材が昇進昇格できるようにすることだと佐々木氏。

「日本では、女性の人数や割合を増やすことがダイバーシティだと思っている企業がまだまだ多い。もちろん女性活躍は大変重要ですが、ダイバーシティとは、女性管理職の比率が何%になったから、ということで終わるものではありません。女性活躍に加え、国籍、年齢、障がい、出身など多様な人材による組織をつくり、多様な視点で経営されていることが重要なポイントです」

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プロフィール

佐々木 かをり(ささき かをり)氏

佐々木 かをり(ささき かをり)
イー・ウーマン 代表取締役社長/ユニカルインターナショナル 代表取締役社長/国際女性ビジネス会議総合プロデューサー 兼 実行委員長
コーポレートサイト

上智大学外国語学部比較文化学科卒業、米国ニューヨーク州エルマイラ大学名誉文学博士。ダイバーシティの第一人者。1996年から日本最大級のダイバーシティ会議「国際女性ビジネス会議」を企画・プロデュース、2000年から「イー・ウーマン」サイトを中心にダイバーシティ関連のコンサルティングおよび研修・講演を行い、組織の多様性と成長性を分析する「ダイバーシティインデックス」を開発。また、内閣府男女共同参画会議、厚生労働省をはじめ多くの政府審議会等の委員を務める。2児の母。著書は『計画力おもしろ練習帳 新装版』(JMAM)、『なぜ、時間管理のプロは健康なのか?』(ポプラ社)など多数。

[取材]=編集部 [文]=谷口梨花 [写真]イー・ウーマン提供

ARCHIVE
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2022年07月04日

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2022年02月10日

第4回:ダイバーシティの本質とは、多様な視点を集め、組織にイノベーションを起こすこと

ビジネス環境変化への柔軟な対応やイノベーション創出が求められる現代において、多様な人材の価値や発想を活かそうという「ダイバーシティ」の重要性はますます高まっている。しかし、ダイバーシティへの意識が十分に浸透しているとは言いがたいのが現状だ。 ダイバーシティの本質とは何か。SDGsとどのようにつながっているのか。ダイバーシティの第一人者であるイー・ウーマン代表の佐々木かをり氏に聞いた。

2022年01月24日

第3回:多様な人材が活躍する風土醸成を目指し「男性育児休業」を推進

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2021年12月16日

第2回:世界でもっともエコな食料生産を目指すエコロギーのSDGs

近年、食料問題解決の一つとして、昆虫食が世界で注目を集めている。今回紹介するエコロギーは、食用コオロギの生産に取り組む企業だ。同社の特徴は、生産に留まらず、発展途上国であるカンボジアのフードロス削減、健康課題の改善、雇用創出といった様々な社会課題解決に寄与している点にある。その取り組みの詳細と、社会課題に挑むリーダーとしてのビジョンやリーダーシップについて、同社代表の葦苅晟矢氏に聞いた。

2021年11月15日

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「人を、場を、世界を、笑顔に。オリオングループ」をミッションに、1957年の創業以来、地元の沖縄はもとより、全国にも根強いファンを持つオリオンビール。SDGsへの取り組みに併せて、企業理念『ORION WAY(オリオンウェイ)』の策定をはじめ、人事制度全体も見直したという。その意図は何か。オリオンビールの人事総務本部に詳しく話を聞いた。