第4回(最終回) 成果を上げるチームづくりのため、人事部にできること 青島未佳氏 産学連携機構九州 総合研究部門 部門長
九州大学と九州大学TLOが行ったフィールドリサーチを元に、チーム開発について紹介する本連載。
前回は、高業績チームをつくるため、リーダーはどう在るべきか言及した。
では、人事部や人材開発部門が担うべき役割とは何か。
最終回となる今回は、好事例企業のインタビューも合わせて紹介する。
●行動を継続するために、必要なこと
高業績チームをつくるために、人事・人材開発部門はどのようなことに取り組めばよいのか。フィールドリサーチの結果を基にこれまでお伝えしてきた通り、チームのリーダーやメンバーが取り組まなくてはならないことは多岐にわたる。しかし、それらを全て自力で実践していくことは難しい。したがって人事・人材開発担当部門は、チームリーダーやメンバーが取り組む行動を継続するための、何らかのサポートを行う必要があるだろう。
では、何があれば人は行動を継続することができるのか。その行動をとるとインセンティブがあったり、やらないと困ることが起これば、行動を継続するだろう。例えば前者は金銭的な報酬や周囲からの励まし、称賛。後者は低評価や、やらなかった場合の上司からの叱責などが挙げられる。
人の行動について、心理学のひとつである行動分析学の観点から考えてみたい。行動分析学では、人が行動をする原理をABCモデル(Antecedent:誘発要因、Behavior:実際の行動、Consequence:行動結果)で説明している(図1)。