第3回 成果を上げるチームのリーダーとは 青島未佳氏 産学連携機構九州 総合研究部門 部門長
九州大学と九州大学TLOが行ったフィールドリサーチを元に、チーム開発について紹介する本連載。前回は、高業績チームに備わる“4つの機能”をチームに根づかせるための方法を紹介した。
今回は、チームづくりを行うリーダーの在り方について考えたい。
●求められるリーダーシップとは
前回、前々回の連載で、チームづくりに必要な機能として3階建ての構造をお伝えした。しかしながら、土台となるコミュニケーションや相互協力・チーム学習は自然発生的に起こるものではなく、誰かが触媒となる必要がある。
その誰かとは、多くの場合“リーダー”である。つまり、コミュニケーションという土台の土壌となるのは、リーダーによるリーダーシップ行動だ。頑丈な土壌の上でないと安全な家が建てられず、良質な土壌でないと作物が育たないのと同様に、リーダーシップはチームづくりにおいて非常に重要な機能である(図1)。
では、チームで高い成果を上げるためには、どのようなリーダーシップが必要なのか。これからの時代、従来の同調主義的なチームワークや“言わなくても分かるだろう”といった暗黙知のコミュニケーションを促すリーダーシップは必要ない。また、トップダウンで決めた方針を現場に粛々と実行させるようなリーダーシップも通用しない。
リーダーに求められるのは、現場レベルで改善・改革を自ら進めていくチームづくり、チーム一人ひとりがオーナーシップの精神を持ち、リーダーシップを発揮できるようなマネジメントである。