第48回 「フィジカルAI元年」に考える未来の人材像とスキル 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する
人型ロボットとの共存が現実に
米CNBCが毎年初夏に公開している注目企業ランキングデータが「CNBC Disruptor 50」である。
同データは今年で14回目を数えるが、“未来のプラットフォーマー”を、私たちにそっと教えてくれるものだ。2026年版で選ばれた企業の上位は、①Anthropic、②OpenAI、③Databricks、④Anduril、⑤Rampという顔触れであった。ランキングを見渡すと、ほとんどがAI関連企業であり、当然のことだともいえる。AIが産業構造・就業構造そのものを大きく変えていくことは想像に難くない。
2026年は「フィジカルAI元年」とよばれており、人型ロボット(=ヒューマノイド)と人間の共存が大きなテーマとなる予兆に溢れている。すでに世界では、製造・物流の現場で人型ロボットの活躍が始まっており、家庭生活にも少しずつ、入り込んできている。もはや“SFの世界”でも“他人事”でもない。
読者の皆さんが今後強化すべき人材像をどう捉えていくかを、5~10年後の社会の絵姿やテクノロジーの進化を注視しながら、今からしっかりと構想しておきたい。
特にフィジカルAIはビジネスパーソンの役割そのものを変えてしまうほどのインパクトがある。
私は最近、20~30代のビジネスパーソンからキャリアアドバイスを求められたときに、「1つのことに熱中してその分野のエキスパートになるのも素敵なことだけど、変化の激しいこれからの時代は、2つ以上の得意技があった方がよいかもしれない」と伝えるようにしている。皆さんはどのように思われるであろうか。
書籍・AIから未来に馳せる思い
今回は、以下の切り口を意識して選書してみた。
①これからのビジネスパーソンに大きな影響を与えるであろう「フィジカルAI」に関する書籍

