第32回 続・次世代経営人材が意識しておきたい「自分のアップデート」 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー
経営や人事を担う人にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
引き続き考えたい「自分のアップデート」
2023年10月、厚生労働省は「新しい時代の働き方に関する研究会報告書(案)」を公表した※。個人的に注目したのは第4章である。「未来を担う全ての方へ」では、企業・働く人への両面から期待が論じられている。
「誰もが『人生の主人公』として自発的にキャリアを形成し、『働くこと』に希望や期待を持てる環境を、働く人だけでなく、企業、社会、国が協働して創り上げていくことが、今まさに求められている」
北欧など諸外国の働き方も今一度、参考にしていく必要があるだろう。前号でも述べたが、若年層で管理職志望の人が減少しているのは、「働くことへの期待値の低下」と比例している気がしてならない。私自身、典型的なプレーヤー人材だと認識しているが、将来のために“管理職経験は必要”と思って長年勤めてきた。
「働く人は企業あるいは労働市場においてどのような人材が求められているか、自らの望む働き方やキャリアに求められる能力は何かを明確にしたうえで、自主的に能力開発に取り組むことが求められている」
様々な資格取得に対する国の補助制度(教育訓練給付制度等)もありがたいが、自らが望むキャリアを実現するためには、まだ資格等になっていない、社会の変化、テクノロジーの進化等に伴い新たに登場する「必要能力(ビジネススキル)」を強く意識していく必要があるだろう。
まだ見ぬスキルや人材像を描く
まじめで素直という従来の好まれる人材像をリスペクトしつつも、より柔軟な発想が求められる時代では、もうワンパンチ必要な気がする。本連載でも何度か触れてきた「水平線思考力(ビジネス知識の横展開力)」はもとより、きっと新しい「何か」が必要になる。読者の皆さんの所属先では、どのような未来人材像を掲げているだろうか。今回は以下4つの視点で選書してみた。
① 自分の“ベース”を築くために重要なポイントが学べる書籍
② AI時代の働き方を考えるうえでぜひ読んでおきたい書籍
③ 自分のスキルアップ、そして魅力発見につながる書籍