Vol.1 ツナグ!HR若手研究者の輪 松下将章氏 関東学院大学 経営学部 准教授
松下将章氏
次世代のHR分野を担う若手研究者たち。
研究者を志したきっかけ、現在の関心事、そして研究の先に見据えるのはどんな社会なのだろう。
インタビューを通して、研究者たちのアタマのなかを少しのぞいてみよう。
[取材・文]=稲垣 飛カ里 [写真]=山下裕之
「できない自分」が研究テーマの出発点
―― 松下先生の研究分野をご紹介ください。
松下将章氏(以下、敬称略)
「職場における従業員同士の助け合いに関する研究」を主に行っています。助け合いを通じて、問題解決を図ったり、職場をより効率的に回していくこと。あるいは、人々の成長を促していくこと。そのようなことが自身の研究テーマです。もともとは、職場での自発的な貢献に興味がありました。
―― 「職場での自発的な貢献」に着目されたきっかけは?
松下
基本的に私自身がいろんなことができるタイプではまったくないんです。たとえば学生時代、ゼミの会議でもずっと沈黙しているような人間でした。同じゼミ生でもコミュニケーション力が高い人、積極的な人が周りにいるなかで、「なんかいろんなことができないな……」と。とはいえ、私のように足りないものや欠点がある人間でも組織のなかで受け入れてもらえるような、組織に貢献できることはないだろうかと。そのなかで見えてきたのが、「自発的な貢献」です。