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Learning Design 2022年05月刊

気づきのエンタ MOVIE|女性の突破力を認め、活かせるか
人材開発担当者にご紹介したいエンタメ情報です。仕事の合間の息抜きにぜひ !
このたびの米国アカデミー賞では村上春樹原作、濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞(かつての外国語映画賞)を『おくりびと』以来13年ぶりに獲得してニュースを沸かせたが、この授賞式は一方でウィル・スミスが壇上で狼藉を働いたことで思わぬ注目を浴びることとなった。大昔なら「愛妻を公然と侮辱された」と憤ってジョークをかました相手を平手打ちしたら騎士のように勘違いされたかもしれないが、今回はこの行為について「そんなに妻というものは夫に庇護してもらわないといけない存在なのか」という異議が沸騰して、ごもっともなことと思った。あんなことをされては奥方の方もうれしいどころか恥ずかしかったのではなかろうか。
ウィル・スミスは賞の剥奪こそなかったが、向こう10年アカデミー賞関連の場には出入り禁止となって、これはまっとうな判断だと思われた。こうして男性至上主義の旧弊がこびりついていたアカデミー賞も徐々に修正が行われているようではあるが、ちょうどこのタイミングで『キャスティング・ディレクター―― ハリウッドの顔を変えた女性―― 』というドキュメンタリー映画を観て、なかなか考えさせられることが多かった。これは1923年に生まれ、ハリウッドでキャスティングという領域を拓いていった女性マリオン・ドハティの足跡をたどる作品だ。
プロフィール
『キャスティング・ディレクター』
2012 年 アメリカ
監督:トム・ドナヒュー
配給:テレビマンユニオン 配給協力・宣伝:プレイタイム
樋口尚文(ひぐち なおふみ)氏
佐賀県出身。
映画評論家、映画監督。
早稲田大学政治経済学部卒業後、電通に勤務。
30年にわたり会社員をしながら映画評論家、映画監督として活動。
著書に『大島渚全映画秘蔵資料集成』(2021年)、『秋吉久美子調書』(2020年)他多数。
映画作品に『葬式の名人』(2019年9月公開)など。
2012 年 アメリカ
監督:トム・ドナヒュー
配給:テレビマンユニオン 配給協力・宣伝:プレイタイム
佐賀県出身。
映画評論家、映画監督。
早稲田大学政治経済学部卒業後、電通に勤務。
30年にわたり会社員をしながら映画評論家、映画監督として活動。
著書に『大島渚全映画秘蔵資料集成』(2021年)、『秋吉久美子調書』(2020年)他多数。
映画作品に『葬式の名人』(2019年9月公開)など。