第23回 求められる「ドレスコード」の再考
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求められる「ドレスコード」の再考
働き方改革により進んだドレスコードフリーの導入。コロナ禍での在宅勤務の常態化は、服装の多様化に拍車をかけることとなりました。一方、ビジネスパーソンの身だしなみに対する迷いや意識の低下などを指摘する声もあります。
01 自由化とともに進む服装の戦略的活用
そもそも、日本企業にドレスコードなど存在するのだろうか。社内の規程集に明記されているだろうか。必ずしもそうではないはずだ。だからこそ悩むのだろう。
服装を自由にすることにより、フラットな関係、自由な発想を期待する動きもある。90年代後半にITベンチャーが台頭したころから、経営者でもジャケット、Tシャツ、デニム前提の人が増えた。若年層にとっては、見てきたビジネスパーソンがすでにカジュアルな格好なのだから基準も異なる。ドレスコードを決めるのは、自社だけではない。業種、職種、取引先、世代、時代、年齢などの要因が絡み合う。
ここで、ビジネスパーソンにとって服装とは何なのかということを考えたい。個人の自己実現、表現のツールであり、快適な仕事を実現するものである。一方でビジネス上の信頼を勝ち得るためのものである。「着たい服」ではなく「期待服」にもなり得る。つまり、取引先や、同僚がどのような期待をしているかも問われる。
今後は自由化を前提として、逆に服装の戦略的活用が進むのではないか。仕事上の信頼を勝ち得るためには、自由度も、規律も共に必要で、自分、自社の「らしさ」が問われる。
常見陽平氏