特集│HR KEYWORD 2022 整える ハイブリッドワーク 組織と個人が向き合うべき3つのハイブリッド 沢渡 あまね氏 あまねキャリア 代表取締役CEO
ワークスタイルが大きく変化するなかで注目されているのが、「ハイブリッドワーク」だ。
ワークスタイルや組織開発の専門家である沢渡あまね氏は、オフィスワークとテレワークの組み合わせを超えた「3つのハイブリッド」を提唱している。
どのような考え方なのかを聞いた。
「3つのハイブリッド」とは
「ハイブリッドワーク」と聞くと、オフィスワークとテレワークを組み合わせた勤務形態をイメージする方が多いのではないだろうか。350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方・組織・マネジメント変革の支援や講演を行ってきた沢渡あまね氏によると、ハイブリッドワークには「3つのハイブリッド」があるという(図1)。
① 働く場所のハイブリッド
最初は「働く場所のハイブリッド」である。テレワークに代表されるが、これはコロナ禍で急速に進んだ。
「最近では、リゾート地などで休暇を兼ねて仕事をする『ワーケーション』も盛んになってきました。このように、『自宅かオフィスか』という考え方が発展し、いわゆるサードプレイスのハイブリッドも増えています。働く場所を主体的に組み合わせることで、今までにない発想を生み出したり、社外の人とコラボレートしたりする動きも活発です。場所のハイブリッド化は、これからどんどん進んでいくでしょう」(沢渡氏、以下同)
② 顔のハイブリッド
「顔のハイブリッド」とは、パラレルキャリアのように、1人の人間が複数の顔、つまり役割を持っている状態である。
「私の顔もハイブリッドです。自社のCEOとしての顔、企業の取締役や顧問の顔、執筆や講演をしているときの顔は切り替わります。パラレルキャリアが当たり前のようになり、複数の顔を持つ人は増えてきています。『顔のハイブリッド』をうまく使いこなして成果を出すことが、組織と個人双方に求められるようになるでしょう」