ART 日本美術家列伝〜江戸時代篇 奇抜・強烈な表現力をもち、奔放に生きた個性派・曾我蕭白(そがしょうはく) 矢島 新氏 跡見学園女子大学 教授
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この連載ではこれまで江戸時代中期の京都で活躍した絵師を取り上げてきたが、曾我蕭白もその1人だ。若冲や大雅など同時代の絵師たちと比べても、無頼な暮らしぶりや作風の奇抜さの点で、蕭白の右に出る個性派はいないだろう。
まずは代表作である群仙図屏風(ぐんせんずびょうぶ)をご覧いただこう。図版には左隻を掲げたが、そこには薄気味悪い4人の仙人が描かれている。右から2扇目の唐子に囲まれた林和靖(りんなせい)もなかなか不気味だが、5扇目の侍女に耳掃除をさせる蝦蟇(がま)仙人の醜怪さと、その奥の西王母の呆けたような表情には、狂気さえ感じられる。