第5回 生活協同組合コープこうべ 協同学苑(兵庫県・三木市) 稲水伸行氏 東京大学大学院 経済学研究科 准教授
どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
本連載は、オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の
稲水伸行氏が企業の研修施設をめぐり、学びを促進させる工夫を解説する。
出会いをコンセプトにした広大な研修施設
兵庫県・三木市に総面積3万坪から成る広大な研修施設がある。1991年にコープこうべ創立70周年記念事業の1つとして誕生した「協同学苑」だ。
「日本の生協の父・賀川豊彦の“愛と協同”の精神を継承するための学びの場をつくろうという思いがあり、設立されました。『人との出会い』『自然との出会い』『新しい自分との出会い』をコンセプトにしており、地域の方のコミュニケーションの場・交流の場としても活用していただいています」(協同学苑 統括部長 兼 組織管理部 人材開発 統括の高岡奏子氏、以下同)
生活協同組合の研修で利用するのはもちろんだが、それだけでなく他企業・他団体の利用も多い。また、遊歩道に目をやれば、日向ぼっこやジョギングを楽しむ人の姿があり、地元住民の憩いの場となっているのも、この施設の大きな特徴だ。