MOVIE 人事に役立つ映画 職業意識を通し、 人生の「構え」を教える 樋口尚文氏 映画評論家 映画監督
人材開発担当者にご紹介したいエンタメ情報です。
仕事の合間の息抜きにぜひ!
今夏、黒澤明作品をはじめ数々の名作を手がけ続けた脚本家の橋本忍が100歳で死去した。円熟期の橋本忍は独立プロダクションを興し、既存の映画会社ではなかなか実現が難しい、手のかかる大作を製作して、ヒットを呼んだものだった。その第一弾が、今も映画ファンの熱い支持を集める野村芳太郎監督の『砂の器』である。
言わず語らず伝える余白の大切さ
華々しい将来を嘱望された天才作曲家が、2人の刑事の綿密な捜査によって、その悲劇的な境遇、犯した罪を暴かれ、栄光の頂点で破滅する松本清張の長編ミステリーが原作である。
汗をかきかき地道な推理で犯人を追い詰めるのは、警視庁捜査一課のベテラン刑事・今西(丹波哲郎)と西蒲田署の若手刑事・吉村(森田健作)だが、今西が「犯人探したり獲ったりするわけじゃない調べ」と呼ぶ、地味な裏づけ捜査の旅が映画の大半を占めている。