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Learning Design 2021年03月刊

気づきのエンタ MOVIE コンプライアンスは 人を“さぼらせるもの”ではない
人材開発担当者にご紹介したいエンタメ情報です。
仕事の合間の息抜きにぜひ!
このところたて続けに元「反社」の人びとをめぐる映画が公開されていて興味深い。『新聞記者』が好評だった藤井道人監督がふたたび「社会派」路線で発想した『ヤクザと家族 The Family』、そして西川美和監督の『すばらしき世界』。ともに共通するものは監視社会のめまいのしそうな閉塞感である。もちろん「反社」的な行為は微塵も許されるべきものではないが、これらの作品では静かに市井の隠者として更生しようとしている元反社」の人間について監視社会はどこまでも元のレッテルを暴き出し、差別排除して、生きる場所さえなくさせる。
社会から失われた「マチ」と「余裕」
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プロフィール
2021 年 日本
監督:西川美和
配給:ワーナー・ブラザース映画
佐賀県出身。映画評論家、映画監督。早稲田大学政治経済学部卒業後、電通に勤務。
30年にわたり会社員をしながら映画評論家、映画監督として活動。
著書に『大島渚のすべて』(2002年)、『秋吉久美子調書』(2020年)他多数。
映画作品に『葬式の名人』(2019年9月公開)など。