第11回 人事担当者が注目すべき ビジネス~ヘルスケアビジネス 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業部 部長
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読みとく書籍を紹介する。
拡大一途のヘルスケアビジネス
人事担当者が知っておきたい注目ビジネスとして、MaaS(Mobility asa Service)、5Gを取り上げてきたが、今回はヘルスケアビジネスにスポットを当てていこう。「健康経営」の観点から注目されている方も多いのではないか。経済産業省「健康経営度調査」の結果からもその関心の高さがよくわかる※1。
ビジネスとしても視界は良好である。ヘルスケアビジネスは、日本はもとより世界でも大きな成長が期待されている。その規模感はなかなかのもので、2025年には33兆円市場への拡大が見込まれている。多くの企業が注目するのもよくわかる。経済産業省「次世代ヘルスケア産業協議会」には今後も注目しておくとよいだろう※2。
「人生100年時代」を考えると、療養・治療や介護はもちろん、健康保持や「未病」に対応するための市場が続々と立ち上がっていくと予想される。メンタルヘルス領域にも注目が集まっており、すでに多くのサービスがスタートしている。注目ビジネスには「カオスマップ」ができるという特徴があり、メンタルヘルス分野のカオスマップも興味深い※3。
私自身は、ヘルスケアビジネスの拡がりと裾野を考えると、現在想定されているよりも市場が拡大する可能性が高いとにらんでいる。GAFAはもちろんのこと、世界中のスタートアップ企業がこの市場に熱視線を送っている。その視線の先のキーワードが、すでに「人生100年時代」を超えて、「不老不死」に変わりつつあるのだ。
「テクノロジー×ヘルスケア」
ヘルスケアビジネスの進展は企業戦略にも大きな影響を与える。その観点から読んでおきたい書籍は、以下に大別される。
① 「 テクノロジー×ヘルスケア」視点で市場を解説している書籍
② 大枠を短時間で把握できるタイプの書籍
③ 健康経営関連書籍
④ 特定分野にフォーカスを当てた書籍(今回は睡眠にフォーカスして選書)