第14回 道を切り拓き さあ、逆襲に転じよう 菊池健司氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 副本部長
経営や人事を担う人材にとって、ビジネストレンドの把握は欠かせない。
1日1冊の読書を20年以上続ける読書のプロが、ビジネスを読み解く書籍を紹介する。
節目の時代、変化の時代
2020年に100年めという節目を迎えた総務省「国勢調査」※。5年に1回実施される本調査は日本に住む全員を対象とした日本でもっとも重要な統計調査と位置づけられている。仕事についての記入欄を見ていると、将来はどのような事業や仕事内容を記入させられるのだろう、としばし考え込んでしまった。
AIは新たな産業や職業を生み出すのだろうか? 新型コロナウイルス感染症に代表される予期せぬ事象は未来にどんな影響を与えるのだろうか?
本連載では一貫して「未来型経営人材」の重要性を説いてきたが、今後「未来を想起・創造できる人材」はますます市場価値を高めていくと確信している。
さて、毎年8月末に刊行される『会社四季報 業界地図』(東洋経済新報社)、『日経業界地図』(日経BP)は、それぞれ日本を代表する経済メディアをバックボーンにもつ全ビジネスパーソン必読の業界地図だ。今年はコロナショックによる各業界の変化を読み解く際に、より重要な役割を果たしている。両地図を見比べると、注目テーマが異なっている点も興味深い。
「VR/ARトレンドは予想よりも早く到来しそうだ」「コロナ禍において在宅勤務が増えたが、自転車通勤も増加している。だから最高益を出せた」「この業界はここと一体化するのか」などなど……。
ここで予言しておくが、今後5年、10年は業界の大再編時代を迎えるだろう。
自分から道を切り拓いていこう
総合視聴率が40%を超えたTBS日曜劇場『半沢直樹』。毎回見ていて私が強く感じたことは「動かないと何も始まらない。道は切り拓くものだ」ということ。
変化を予見しながら先を読み、少し違っていても修正をしていけばよい。「激変」の時代は「逆襲」を胸に、進み続けることが大切だ。愛書家として2020年度下半期は、以下ジャンルに注目していきたい。
①逆襲を仕掛け、成功した事例紹介をしている書籍