無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。
Learning Design 2018年11月刊

特集2│Chapter1│遊びの歴史 年表で見る日本人の「遊び方」の変遷
戦後、日本人は何を好み、楽しみ、そして、どう遊んできたのか。
社会背景を振り返りながら、遊びの歴史をひもといていきたい。
90年代中盤、遊び方は「モノ」から「コト」へ
「遊び方はモノからコトへ変わり、そして現在は、“トキ” を楽しむ遊び方へシフトしています」
そう話すのは、博報堂生活総合研究所上席研究員の内濱大輔氏。下部の年表を参考にしながら、遊び方の変化を考えてみたい。
まずモノの時代というのは、戦後から1990 年代頃までを指す。当時はモノが好きで、モノを所有し、それを使いながら遊んでいたという。
「60 年代までは、モノが好きといっても人並みに暮らすため、生活水準の質を上げるためのモノを所有したかったんです。ところが70 年代頃からは、ある程度生活水準が整ってきて、“ 好き”や、遊ぶ目的でモノを買うようになりました。この時代は、人と同じものではなく、希少価値のあるものを所有していることが自慢。限られたものを奪い合うというゲームで遊んでいたのです」(内濱氏、以下同)
クリスマスが恋人同士のイベントになったのも、この時代だという。プレゼントというモノを贈り合うことで楽しんでいたといえるだろう。
だが、90 年代中盤から遊び方は「モノ」から「コト」へシフトした。
残り:2,242文字
/
全文:2,802文字
記事の続きはご入会後、
お読みいただけます。
プロフィール
内濱大輔(うちはま だいすけ)氏
博報堂生活総合研究所 上席研究員
2002年博報堂入社。マーケティングプラナーとして、通信・トイレタリー・外食・飲料・流通・エンターテインメントなど諸分野でのブランディング、商品開発、コミュニケーション設計に従事。2015年より博報堂生活総合研究所に所属し、生活者のライフスタイル、価値観変化の研究を行う。