めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第51回 今さら聞けない?「IoT」について考える
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
IoTは、Internet of Thingsの略称であり、「モノのインターネット」と称されることが多い。ありとあらゆるモノやサービスがインターネット経由でつながることにより、劇的に世の中を変えていく可能性があるといわれる。
私が所属しているマーケティング・データ・バンク(MDB)では、日々多くのビジネスパーソンからの調査依頼を受けているが、ここ2年ほどの調査トレンドをひもとくと、「AI、自動運転、IoT」はもはや御三家といっても過言ではない。
人材育成に携わる皆さんはこのIoTをどう捉えているのだろうか?こうした用語が出てきた際には、まずはなぜ登場したのか、その背景を押さえておくことが流れを把握するためのコツである。
IoTは1999年に英国人技術者のケヴィン・アシュトン(マサチューセッツ工科大学)が提唱したことが始まりとされ、言葉が一般化されるまで20年近い年月を要している。提唱者の考えを知るためにも、氏の著書である『馬を飛ばそう』(次ページ参照)には目を通しておきたいところだ。
国策においてもIoTには注目が集まっており、総務省は2017年3月から「IoT国際競争力指標」※1を策定している。これによると、サービス・製品総合力指標で、日本の競争力はアメリカ・中国に次いで第3位という結果である。
さて、それほど注目されるIoTを理解するための参考文献を分類しておこう。
①「よくわかる」入門書
②IoT活用事例本
③IoTによる時代の変化を学べる本
①は、『2時間でわかる図解IoTビジネス入門』(次ページ参照)がお勧めだ。著者の小泉耕二氏は、業界有力ニュースサイトであるIoTニュース※2の代表である。
②は、『漠然とした概念』は事例からの学びが分かりやすいこともあり、今後多く発刊されると予想している。WebサイトでIoTの国内事例が得られる「IoTユースケースマップ」※3もご覧いただきたい。