OPINION3 「新たな視点を知る」「思いをひとつにする」 組織がイキイキする ワークショップのつくり方
今、対話型のワークショップをメンバーの意識開発、組織活性化につなげようとする動きが企業の間で広がりつつある。
しかしその際、重要なのは手法そのものではない。
ワークショップで人の思いや働き方、組織のつながり方を変えるには―。
リーダーシップ開発、越境学習、ワークショップ、トランジション調査などに精通する舘野泰一氏に聞いた。
“HOW”より目的が肝心
組織のメンバーの意識、お互いの関係性を変化させるために、対話型のワークショップを活用する企業が増えつつある。対話の機会を設けることは組織開発において重要だが、問題点も見られるように思う。
例えば「目的を意識せず、とりあえず新しいワークショップの手法に飛びついてみる」などだ。新しい手法を学び、実践することは大切だが、最新の手法を導入するだけでは組織開発にはつながらない。「ワークショップは盛り上がったけど、本当に組織活性化につながっているのか?」という疑問を多くの人が抱くだろう。効果を実感できなければ取り組む意義も感じにくいのではないか。
また、一言でワークショップと言っても、手法は目的によってさまざまだ。「付箋紙を使ったほうが良いのですか?
それともワークをやったほうが良いですか?」と尋ねられることがあるが、何がベストかは「どのような対話を促したいのか」という目的による。しかし、目的は忘れられたまま、「どういうメソッドが良いのか」という点だけに関心が向きがちだ。
対話型ワークショップを効果的に組織開発に結びつけるためには、
1.どのような目的で組織開発に使うのかを明確にする
2.特性を理解し、さまざまな手法を自分で組み合わせて使用するの2つが重要である。もちろんこれらを実践することは難しい。私も日々、試行錯誤している。
そこで、今回は私が対話型ワークショップを使って組織開発につなげている“ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)”の事例や、これまで行ってきた具体的なワークショップを紹介することで、実践を考えるヒントを提供したい。