おわりに パフォーマンス向上の鍵は、 自主性・意欲、そして上司の関わり方
パフォーマンス向上とは
来るべき人手不足への対応や、ワークライフバランスの実現に向けて、限られた時間と労働力で業績を上げていくために必要なのは、組織と個人のパフォーマンス向上だろう。最近、GEやマイクロソフトをはじめとした多くの米企業が、年次評価をやめ、日常的なフィードバックを重視する「パフォーマンス・マネジメントの変革」に着手しているというトレンドもある。
そこで本特集では、今、最も求められているパフォーマンス向上のための方法について、識者に話を聞きながらヒントを探ってきた。その中で明らかになったのは、重要なのは上司の関わり方だということだ。
インストラクショナルデザイン代表取締役の中原孝子氏(OPINION1、24 ページ)は、部下のパフォーマンス向上のために上司が関与すべきなのは、部下の「インプット」「プロセス」「アウトプット」だという。つまり、部下一人ひとりの目標を決め、成果を出すためのアクションプランを一緒に考え、部下のコミットメントと行動を引き出すこと、また、改善策を検討し、支援することが、上司が行うべきマネジメントなのだ。
パフォーマンスに影響するもの
では、パフォーマンスの良し悪しは何に影響されるのか。本人の知識やスキルに拠る部分が大きいと思うかもしれないが、中原氏は、実際のパフォーマンスの8割は、指標や組織文化環境、体制といった「外的要因」と「モチベーション」によって決まるのだと説明する。
振り返れば、事例で紹介した3つの企業の取り組みは、パフォーマンスに影響を与えるこの「外的要因」と「モチベーション」につながっているといえる。