CASE 3 日立ソリューションズ 働きやすい環境整備を推進! 意欲の向上と人財の交流を促し、 組織と個人の能力を最大限に発揮させる
社員のモチベーションや組織内のコミュニケーションも、組織と個人のパフォーマンスに良い影響を及ぼす要素のひとつである。
「全ての施策の根幹はコミュニケーション」と捉え、モチベーションの向上やコミュニケーション活性化に全社を挙げて取り組んでいるのが、日立ソリューションズだ。
2016年9月に開始したワークスタイル変革運動により、その実現をめざす。
●取り組みの狙い 能力を最大限に発揮させる
日立ソリューションズは、2015年4月に事業分割を実施。約1万人いた従業員の半数が日立製作所に移り、残りの半数が新生日立ソリューションズに残った。日立グループ外の売上比率の増加を受け、一層の生産性・経営効率の向上が求められており、社員が将来への不安を払しょくすると共に、モチベーション高く働き、持てる能力を最大限に発揮できる環境の整備が求められていた。
そうした状況を受け、2016 年9月からスタートしたのが、ワークスタイル変革運動「カエルキャンペーンmotto!」である(写真)。従来の施策をパワーアップし、キャンペーンとして強く打ち出すことで社員に周知・徹底し、より組織のパフォーマンスを高めることが狙いだ。
「一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を提供することが、人事部門のミッションであり、トップの考えでもあります。そこで重要なのが、社員のモチベーションやコミュニケーションだと考え、キャンペーンは『1 もっと柔軟な働き方』『2 もっと早くカエル』『3 もっとコミュニケーション』の3つをスローガンに、働き方・意識・行動の変革を促しています」(人事総務本部労政部労政グループ主任 中田駿介氏)
社内イントラネットのポータルサイト、ポスター、チラシ、デジタルサイネージ(電子看板)などを用いて、積極的なプロモーションも行い、全社運動として展開している。具体的な取り組み内容を見ていこう。
●取り組み内容 やる気を高める多彩な施策
1 もっと柔軟な働き方
■テレワークの推進
このキャンペーンの一環として、「タイム&ロケーションフリーワーク」と題し、2016 年9月以降、全部門の課長以上と裁量労働適用者約3000人を対象にテレワークのトライアルを実施している。この結果を受けて適切なマネジメント方法を検討し、2017年4月の本格導入をめざしている。
「小さいお子さんを抱えていると、ちょっとした用事でも、半日休まなければなりませんが、この制度により、トライアル開始から3カ月で、8人の育児短時間勤務者がフルタイム勤務への変更を含む実働時間の延長に至りました。単身赴任が解消できた人も2人おり、時差のある海外拠点との打ち合わせにも活用されています。サテライトオフィス提供サービスも利用し、営業活動中の隙間時間も有効活用できるようにしました」(中田氏)