特別レポート 研修サービス市場は前年度比2.3% 増 一部では研修施設の供給が追いつかない事態も
企業向け研修サービス市場は、売上高ベースで堅調に推移している。大手企業のみならず、中小企業の活発な人材採用意欲とそれに伴う新入社員向け研修の需要が増加し、市場全体の拡大を牽引している形だ。こうした中で、研修施設貸し各社はハード(施設)、ソフト(サービス)の両面を強化し、顧客の囲い込みに注力している。
新入社員向け研修が増加
企業の人材採用意欲が高まっている。厚生労働省が2016年9月に発表した同年8月の一般職業紹介状況の有効求人倍率は1.37倍となり、バブル期並みの高水準となっている(図1)。
人材採用意欲が高まったことで、新入社員向けの研修の需要が増加し、研修サービス市場全体の拡大に貢献している。矢野経済研究所が実施した「2016年 企業向け研修サービス市場に関する調査」によると、2015年度の企業向け研修サービス市場規模は4970億円(前年度比2.3%増、事業者売上高ベース)となった(図2)。