おわりに “気の持ちよう”を マネジメントする習慣を身につける
今、求められる技術とは
変化が大きく、先行きが見えない不透明な時代に突入している。職場の人や環境の多様化も進み、不安やストレスを抱える局面も増えてくるだろう。そんな状況でも、動じることなく自分の力を発揮し、成長していくために、求められるものは何か。
それは、自分の気の持ちようを自身でマネジメントし、ネガティブな感情を自らの成長につながるような感情へとコントロールしていく技術である。例えばイラっとしても、感情的にならずに冷静に自分の要望を相手に伝えたり、心が折れてしまいそうな困難にもしなやかに対応したり、誘惑に負けず、自分の目標に向かって辛抱強く努力したり。このようなスキルを持ち合わせていれば、意欲的に仕事にチャレンジし、自分を高めていくことができるはずだ。
今特集では、これを「我慢する技術」と定義し、具体的に「アンガーマネジメント」「レジリエンス」「意志力」について、具体的な内容を紹介してきた。そのポイントをおさらいしよう。
「怒り」と向き合う
「アンガーマネジメント」とは、怒る必要があれば上手に怒り、そうでない場合は怒らずに済ませる技術である。日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介氏によれば、怒りをコントロールするにはコツがあるという(OPINION1、22 ページ)。
1つめは、6秒待つこと。深呼吸をしたり、意識的に好きなことをイメージするなどして6秒だけ怒りから気持ちを遠ざけることができれば、自分を客観視することができ、感情的にならずに済む。2つめは、「アンガーログ」を記録すること。自分がどんな場面でどの程度怒りを感じたのかメモしておくと、自分の怒りやすいパターンを把握でき、この時は怒る必要がなかった、などと振り返る材料になる。