セミナー・イベントレポート Global HR Forum Japan 2016 リンクグローバルソリューション ~日本企業がグローバル市場で生き残るために、 グローバル人事は今、何をすべきなのか?~
日本企業のグローバル化には、人事戦略や組織開発などの施策をグローバルな視点で再点検、再構築することが不可欠だ。10月に行われた「Global HR Forum Japan 2016」は、のべ40名の登壇者が4つのカテゴリー、18のプログラムに分かれてグローバル人事の課題を熱く討議。“ソリューションありき”ではなく、“課題ありき”の姿勢は、240名超える参加者から高い支持を集めた。
一企業の枠を超えてグローバル人事を考える場に
「日本企業がグローバル市場で生き残るために、グローバル人事は今、何をすべきなのか?」をテーマに据え、「日本企業のグローバル化に向けた戦略人事の考え方・ソリューション・ネットワークを集結」させた本イベント。1日限りとはいえ、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所所長の白木三秀氏による「現地調査に基づく海外駐在員のコンピテンシーモデルとは」と題した基調講演をはじめ、日本を代表する企業のグローバル人材育成や現地法人への理念浸透などを推進してきた人物によるトークセッション、コンサルタントによる事例やソリューション紹介のセミナー、異文化コミュニケーションの研修体験会など、18の多彩なプログラムで構成され、当日は240人の参加者でにぎわった。
イベントを主催したのは、リンクアンドモチベーションのグループ企業であるリンクグローバルソリューション(以下、LGS)。前身のインテック・ジャパン時代から四半世紀以上にわたり、異文化コミュニケーション力の向上を目的に、駐在員の赴任前研修などを提供し、顧客企業のリピート率は94%と、高い評価を得ている。そんな同社がグローバル人事全般をテーマにしたイベントを主催したのはなぜか。同社代表取締役社長の一色顕氏は、次のように語る。
「当社は今年の年初にミッションを見直し、グローバル市場で戦う日本企業を組織・人事マネジメントの側面から支援する企業と位置づけました。そのミッションを果たすために自社のソリューションを見直し、自社でできない部分は信頼に足る外部パートナーと積極的に手を組み、日本企業の課題に応えていく必要があると考えています。
国内のHR業界を見ると、日本企業のグローバル化という大きな課題に対して、各事業者が自分たちの既存ソリューションの範囲でしか対応しないのが実情です。これでは、日本企業が抱えるリアルな課題の本質的な解決は困難です。そこで各々が持つソリューションの領域を超えて、深い知見や経験をお持ちの専門家、実際にグローバル人事で活躍されている事業会社、ビジネスパートナーの協力を頂き、日本企業のグローバル人事がすべきことについて、課題感から共有し、共に議論できる場をつくりたいと考えたのです」