人事の職場拝見! 第68回 エヌアイシィ 3カ月間の完全Off -JTで、ゼロからエンジニアを育てる 「急がば回れ」の競争力強化策
近い将来、深刻な人材不足が懸念されるIT 業界。情報システム会社のエヌアイシィは、これまで主体としていた経験者採
用から未経験者採用にシフトチェンジ。ゼロからエンジニアを育てる仕組みを構築した。
人材の獲得競争を回避する
急速に進む社会の情報化に伴い、IT 業界では特に熾烈な人材獲得競争が繰り広げられている。
それは、保険会社など金融機関向けのアプリケーション開発やインフラ設計構築を手がけるエヌアイシィでも同じだ。社員の約8割を占めるシステムエンジニアは、同社の要をなす。優秀なエンジニアの確保が自社の競争力を左右する。
ならばゼロからエンジニアを自分たちで育ててしまおうと、2014 年に始めたのが、「NIC IT Academy(NIA)」である。未経験者を採用し、3カ月かけて必要な知識と技術の習得を図る。
NIA 開始の理由を、事業本部長の木津叔也氏は次のように語る。
「かつては、マンパワーの確保を経験者採用のみに頼っていました。即戦力を期待できる一方で、競合との獲得競争に巻き込まれ、思うような人材が得られないという悩みも抱えていました。それならば、未経験者中心に切り替えて、当社が必要とする人材を育てようと考えたのです」(木津氏)