第19回 シニア活用に向けての第一歩 藤原英理氏 あおば社会保険労務士法人 代表
働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。
第19回 シニア活用に向けての第一歩
数年前から、定年延長や定年者の再雇用を始めた当社。最近では、65 歳を越えても働き続けたいという社員も出てきた。今後、人材の確保が難しくなる中、貴重な戦力として活躍してほしいと思っているが、高年齢になるほど体力の低下が懸念されるし、勤務時間や待遇もこれまで通りというわけにはいかない。どう対応を進めていけばいいだろうか。
進みつつあるシニア活用
少子化と超高齢化が同時に進行している日本では、労働力不足の解消と高齢者の就労支援が大きなテーマとなっています。そうした中、2006 年に高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)が改正され、①定年の65 歳以上への引き上げ、② 65歳までの継続雇用、③定年の定めの廃止等―のいずれかの対応が企業に義務づけられました。②に関しては、2012 年の法改正により希望者全員が対象となるよう変更(経過措置あり)されたため、これに応じた取り組みが行われるようになってきています。
また、若年層の働き手が不足する中、シニア層は単純労働の担い手としても注目されており、外食・小売などの業界を中心にその活用が進められています。