めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第43回 人事担当者が持っておきたい「未来予測」の考え方
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
「297万人減少、179万人増加」――。いったい何の数字かといえば、前者が製造・調達部門、後者がサービス部門における2030年度の従業者数増減の予測である(経済産業省「新産業構造ビジョン」2016年4月)※1。なかなかインパクトがある数字だ。
こうした予測データは、人事担当者も把握しておかなければならない。産業や社会の将来トレンドをある程度想定したうえで、自社の人材戦略を検討していく必要があるからだ。
「人の仕事がAIやロボットに取って代わられる」という未来に対して、漠然とした不安を抱いている人事担当者は多いだろう。したがって、一度自社の中で「機械による代替確率が低い仕事」を棚卸しすることをお勧めしたい。
これまでも何度か「未来予測」という発想を持つことの重要性を訴えてきた。未来を想定しない事業戦略や人材戦略は意味を持たない。未来を想定したとしても、技術進化はそれを上回るスピードで進んでいく時代なのだ。
未来予測関連書籍を選ぶコツの1つとして、例えば『2050年世界予測!』といったタイトルの書籍など、少し遠い将来を見通しているものにまずは目を通すことをお勧めしておく。
2016年以降も非常に興味深い未来予測レポートがいくつか刊行されているので、まずは分類してみよう。
①海外の研究者、ジャーナリストによる予測本
②日本の研究者、ジャーナリストによる予測本
③人材専門機関・専門家による予測本