人事の職場拝見! 第65回 ソニー 早期からの人間力強化が、ダイナミズムを生む 創造と挑戦の理念を支える変革と継承
日本のエレクトロニクス業界をけん引し続けてきたソニー。「ユーザーに感動をもたらし、好奇心を
刺激する企業」で在り続けるために、同社では育成制度の変革と継承が同時進行する。
人間力を早期に鍛える
創業以来、人々の暮らしに新たな一石を投じる商品やサービスを提案し続けてきたソニー。だが同社も、時代の流れに合わせて転換期を迎えているという。そのカギとなるのは、ミドルマネジメント層の育成だと、人事センター人材開発部統括部長の足立朋子氏は語る。
「組織の方向性を明確に打ち出す役割を担い、組織風土の醸成、次世代人材育成の要でもあるマネジャーの支援が、現在のミッションと捉えています」(足立氏)
その一環で、2015年にマネジメント層の育成施策を刷新した。注目は、管理職研修の対象者を次代のマネジャー候補へと“前倒し”したことだ。
「メンバーを通して成果を出すことが求められるマネジャーは、仕事の視座や人との関わり方がプレーヤーとは異なりますので、早期からの意識転換を図ります」(足立氏)
マネジャー育成で特に重視するのは、課題解決を導く思考力とコミュニケーション力を合わせた人間力だという。マネジャーが柔軟な発想と対話を大切にした組織づくりを自ら進んで行えるように働きかけている。
テーマを決めて、自分で動く
とはいえ、人間力の強化は一朝一夕で図れるものではない。入社時から段階を踏み、意識的に繰り返す取り組みが大切だと同社では考える。