第16回 海外赴任者の健康管理 藤原英理氏 あおば社会保険労務士法人 代表
働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。
第16回 海外赴任者の健康管理
海外事業の責任者として、中堅社員を現地子会社に赴任させる予定だ。まずは単身赴任をさせ、いずれ家族も現地に行ってもらおうと考えているが、赴任地はいわゆる発展途上国で、それほど生活環境が良くない。こうしたケースでは、本人はもとより家族も体調を崩してしまうことが多いと聞く。どのように進めれば良いだろうか。
途上国への赴任も増加傾向
海外で働く日本人は増え続けています。外務省の統計によれば、日本の民間企業で働きながら海外に長期滞在をしている人は、2014年10月現在で約46万人(外務省
海外在留邦人数調査統計)。2004年の統計では36万人だったので、10年間で約30%増えていることになります。
赴任地は北米・欧州の比率が下がり、アジアの比率が上がってきています。発展途上国に赴任する例も増えており、海外で働く人たちの生活環境は、必ずしも整っているとは言えません。
海外に赴任すると、商習慣や業務環境だけでなく生活環境も大きく変わりますから、多大なストレスがかかります。それに慣れるまでは、コンディションを崩すことも十分考慮して、対処を検討しておきましょう。