めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第40回 「1年目の教科書」の威力
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
2016年も既に半年が過ぎ、時の経過の速さには驚くばかりである。「時間術」関連の書籍は引き続きよく売れているようだ。ビジネスセミナーでもこのテーマが増えているように感じる。
時間術に限らず、さまざまなビジネススキルに磨きをかけるためには、日頃からの意識と鍛錬が重要である。ただ、一定のキャリアを積むと、大切な基本が疎かになってしまう気がしてならない。
そこで、私が長年にわたり習慣としているのが、折に触れ「1年目の教科書」を読むということである。これは、「原点」に回帰するという意味合いが大きい。
社会人キャリア26年目の今でも、新人向けの教科書から学びを得ている。当時は理解に苦しんだことが、今なら容易に理解できるということが往々にして起こり、常に新たな発見がある。
もちろん、役職者1年目向けの教科書からも相当な学びがある。部課長あるいは社長1年目の教科書は増加傾向にあり、これからも増えていくだろう。経営人材を早期に育成したいのであれば、若いうちから役職者1年目の教科書を読ませるのもひとつの教育手法だと思う。
1年目の教科書は、手を替え品を替え毎年かなりの数が刊行されている。選書のコツは、まずは読み継がれている書籍を知ることである。そこで原理原則をしっかりと学ぶ。また毎年、時代のトレンド、つまり“求められるスキル”を反映した教科書が刊行されるため、そちらにも目を通しておくこと。“変わらない基本”と変化する“必要性の高いスキル”の両面をおおむねカバーできるという点で、効果が高いと実感している。
1年目の教科書を大きく分類すると以下となろう。
①原理原則が学べる基本書
②ビジネススキルのいろはを学ぶことができる基本書