特別インタビュー 確実に来る現実から目を背けず グローバルな“意識”を持て!
2009年に家電量販店から外国人旅行者向けの免税店へと業態を転換、今や国内最大規模の免税店へと成長したラオックス。
再建を導いたのが、代表取締役社長の羅怡文氏である。
「ラオックス大学」で育成を強化しながら、さらなる成長をめざす羅氏に、グローバル人材の育成に対する考えを聞いた。
人材育成は重要な経営課題
─現在取り組まれている第2次中期経営計画(2015 ~ 17 年)では、会社の成長のために、「店舗」「MD(マーチャンダイジング)」「人材」の3つのプレミアム(付加価値)を高めることを目的に挙げています。人材育成は、経営の重要なテーマの1つとしてお考えですか。
羅
そうですね。当社は、従来の家電量販店から「免税ビジネス」へとビジネスモデルを大きく変えました。現在は家電だけでなく、さまざまな商品を取り扱っており、お客様のほとんどが海外からの旅行客になります。今後、訪日外国人がさらに増加することを見据え、この3年間で店舗数を50 店舗体制にする予定であり、対応する人材の確保が急務となっています。
しかし、日本では、海外からのお客様をお迎えすることのできる人材が不足しています。日本の社会全体で、グローバルな対応ができる人材が少ないのです。また、我々自身も、一時は経営が不振だったこともあり、優秀な人材が流出するなどして、人材の十分な蓄積がありません。この2つの理由から、人材の育成は重要な課題だと考えています。
中でも、グローバルな意識を持つことが最も大切であり、その意識を持った“プレミアム”な人材の育成をめざしています。
グローバル意識が足りない
─「グローバルな意識」とは、具体的にどのようなものでしょうか。
羅
これからの時代、「地球は1つ」であり、「国内」よりも「世界」の視点が必要です。相手がどこの国の人であっても、同じ気持ちで接することが大事になります。それが“グローバル意識”です。当社の社員であれば、お客様が日本人であれ、中国人であれ、その他の国の人であれ、同じお客様として接する意識が求められます。
ラオックスに来店されるのは、中国、台湾、香港など中華系のお客様が最も多いですが、東南アジアのお客様も増えています。年間を通じて70 カ国ぐらいのお客様が来店されています。ですから社員には、どんな国からのお客様に対してもしっかりと対応できるような意識や言語を身につけてほしいと考えています。