人事の職場拝見! 第63回 日本郵便 顧客満足の始まりは従業員満足 笑顔を生む管理者育成と女性活躍
国内全ての市町村にある郵便局の運営をはじめ、郵政事業を軸に地域貢献を担う日本郵便。
民営化から9年目を迎えた同社が注力する、人材育成施策とは。
地域の信頼に育成は不可欠
国内の郵政事業を手がけ、各地の郵便局を運営する日本郵便。パート・アルバイトも含めるとスタッフの数は約40 万人、管理者も3 万人に上る、超マンモス企業だ。
民営化からもうすぐ10 年、その間グループの再編成などの紆余曲折を経て、今改めて「企業は人なり」と話すのは、人事部人材研修育成室室長の吉澤尚美氏である。
「民営化はしましたが、郵便、貯金、保険というユニバーサルサービスを担う郵便局は地域のお客様に愛されるべき存在といえます。それには、社員育成の充実が欠かせません」
手づくりのマネジメント誌
育成施策で重点を置くのが、サービス業としての意識改革と、管理者層のマネジメント力強化だ。
「企業として存続する以上、収益は当然意識します。しかし、それは闇雲に数字を追うものではなく、お客様が満足するサービスを提供し、信頼を得た先に達成できるものだと考えています。そのキーパーソンとなるのが管理者たち。なぜなら、部下のやる気を引き出すことが、生産性向上に直接つながるからです」(吉澤氏)
とはいえ、同社は全国に2 万4000を超える郵便局を構える。地域特性を踏まえた運営が求められ、画一的なマネジメントでは限界がある。そこで人材研修育成室は自ら各地の郵便局に取材を敢行し、「一人ひとりを大切にするマネジメント」がテーマのマネジメント誌を制作した。管理者に必要な心構えをはじめ、社員のモチベーションアップにつながる声掛けの例など、優良局の事例を取り上げながら詳細に解説する。構成から執筆、レイアウトに至るまで、全て自分たちの手で進めた。