CASE 1 JTBグループ 3年目、6年目の壁を乗り越える 若手の背中を押す“多様な仕掛け”
就職人気ランキングで常に上位に入るJTBグループ。
華やかなイメージがある旅行業界だが、実際は地道な業務も多く、中には入社後、モチベーションダウンする若手も見られるという。
一人ひとりのチャレンジ精神に火をつける3つの仕組みとは。
●背景 多忙な現場で募る閉塞感
JTBグループといえば、就職したい会社ランキングで常に上位に入る人気企業。旅行好きな学生にとってはまさに憧れの的だ。
しかし入社後、彼らの多くが配属される渉外営業やカウンターセールスは派手な業務ではなく、入社前のイメージとのギャップに悩む若手社員も少なくない。「旅行業は決して華やかな仕事ではありません。お客様のあらゆるリクエストに応え、ご満足いただくために、地道な業務も多いのです」(鈴木良照氏:以下鈴木氏)。
そのうえ、天候不順による交通機関の遅れなど、旅行には予想外のトラブルもつきもの。どの企業にも見られるように、日々、目の前の仕事に追われるうち、入社時の夢や目標を見失う若手が出てくることもあるようだ。
一方、若手が身につけるべき知識やスキルは多岐にわたる。インターネットの旅行情報が溢れているため、高い情報力や提案力が必要となるからだ。また、多様化するお客様一人ひとりのニーズを探り、それを満たす旅行商品を提供するための高いコーディネート力、プレゼン力も求められる。
したがって、モチベーションの維持、向上は不可欠といえるが、同社では次のようなアプローチを行い、彼らの意欲を引き出している。
①入社後のモチベーションダウンを防ぐ施策
②さまざまな挑戦心を促進する多様な仕組み
③社会貢献を通し、仕事と会社の価値、意義を再発見する活動
具体的にどのような取り組み内容なのか。順に見ていこう(図)。