人事の職場拝見! 第58回 東京計器 ヒューマンスキルと課題解決力向上で 新しい海域へ乗り出す組織づくり
日本初の計器メーカーとして100年以上の歴史を持つ東京計器。人が“育つ”組織への変貌に
向け、行動力と指導力を兼ね備えた人財の発掘と風土改革に挑む。
人財開発機能を独立
東京計器は、ジャイロコンパスやオートパイロットなどの航海機器をはじめ、建設機械などの駆動や制御を行う油圧機器、上下水道施設や化学プラントの流体管理を行う計測機器など、安全・安心な社会基盤づくりに貢献する商品を手掛ける企業である。
同社では、2015年に人事部門の組織改編を実施。新たに「人財開発課」を設け、人財開発と採用の機能を独立させた。その背景を、管理部人事部人財開発課長の室井信夫氏は次のように語る。
「当社の商品はライフサイクルが長く、幅広い市場に数多くのお客様がいますので、比較的安定した事業環境に恵まれています。ですが、裏を返せば組織がタコツボ化するリスクが高く、井の中の蛙に陥りかねない状態とも言えます。時代のスピードが速まる中、変化に対応できる柔軟性の高い組織づくり、そして一人ひとりの能力を引き出せる環境づくりに十分に力を注げるよう、体制を整えました」
強み弱みを徹底解剖
それに先駆け、2014年には教育体系を抜本的に見直し、新たな研修制度を開始させた。特に初級管理職や中堅社員向けの研修を手厚くしている。日頃の業務の中でしっかりと部下やメンバーの成長を促せる、指導力のある人財を早期から発掘・育成するためだ。