JMAM通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 ファミリーマート さまざまな場面で社員の 成長したい意欲を引き出す
「学ぶ風土」を醸成している組織に贈られる「通信教育優秀企業賞」。
今年1社目に紹介するのはコンビニエンスストアの雄、ファミリーマートだ。
その成長を支えるのが、同社が早くから取り組んできた自己啓発を教育施策の柱と位置づけた教育制度である。
主に通信教育の活用法と、人財開発にかける思いを伺った。
自主的に行動する人財を育成
1972年の1号店出店以降、日本発祥のコンビニエンスストアとして、着実に店舗を拡大し、大手コンビニエンスストアに成長したファミリーマート。現在の店舗数は国内1万1450店、海外5756店と、今やグローバル企業へと成長を遂げている(2015年8月31日現在)。
そうした同社が基本理念を制定したのは、設立25周年となる2006年のこと。「ホスピタリティあふれる行動を通じて、お客さまに『気軽にこころの豊かさ』を提案し、快適で楽しさあふれる生活に貢献する」ことをめざし、1980年代末から使用している有名なキャッチコピー「あなたと、コンビに、ファミリーマート」を新たなスローガンとして掲げた。
この時に制定された「ファミリーマートの基本姿勢」に、次のような一節がある。─私たちは、社員一人ひとりの豊かな創造性とチャレンジ精神を何よりも大切にし、自らが「感じ」「気づき」「行動する」闊達な企業風土を育みます─
同社が求める人財像は、この基本姿勢を踏まえて行動できる人財である。特に、自らが「感じ」「気づき」「行動する」 という“自主性”を大切にしており、教育においても自己啓発を重視。そしてそれを役割別教育など各種教育施策と関連づけながら、自ら学ぶ風土づくりを進めている。
ビジネスカレッジとして体系化
上記の方針のもと、同社では全社教育として、主要な教育施策を「ファミリーマート・ビジネスカレッジ」として整備し、6つの領域ごとに体系的な教育を実施している(図)。
6つの領域には、階層別・昇格時研修などを行う「ランクアップ領域」や「キャリアアップ領域」、年齢別のキャリア構築を支援する「キャリアデザイン領域」。また、グローバル人財プログラムやダイバーシティーマネジメントセミナーなどの「ダイバーシティー領域」。そして、職種別に必要な知識を学ぶ「業務知識領域」がある。
加えて、自主性を育むという面から重視しているのが「自己啓発支援」だ。英語学習支援、外部セミナー受講制度、そして通信教育制度からなるもので、誰でも、学びたい人は自由に活用できるようになっている。
社員の成長意欲に応える
上席執行役員 管理本部 総務人事部長の杉浦真氏は、教育全体に対する考え方と自己啓発について、次のように述べる。
「教育の土台となるのは、OJTだと考えています。現場で管理職が部下をしっかりと育成することが重要で、厳しいようですが部下を育成できない上司は職責を果たしていないと言っても過言ではありません。