組織と個人の問題に効く! 心理学ミニゼミナール 第3回 疲労度を低減する方法
心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。
そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。
第3回 疲労度を低減する方法
疲労度は○○の差で異なる
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン(心理学者・行動経済学者)らが「一日再生法」という実験を行ったことがあります※。被験者に「時間ごとの疲労度」を定期的に報告してもらうだけの、単純な実験です。この実験において被験者は2グループに分けられました。一方は睡眠時間が6時間以下、他方は7時間以上の人たちです。
右上の図の▲は前者、○は後者の疲労度ですが、はっきりと差があることが分かります。普段6時間以下の睡眠時間の人は、7時間以上寝ている人に比べて、より“疲れている“と感じながら作業をしているのです。