組織と個人の問題に効く! 心理学ミニゼミナール 第1回 希望の効果
心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。
そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。
[第1回 希望の効果]
会社などの組織が、働く個人にモチベーションを発揮してほしい、というのはどういう状況でしょう。簡単な話のようですが、改めて考えてみると、これといった正解はなかなかイメージしにくそうです。
逆に考えてみましょう。
どの組織でも「あいつにはどうもやる気が見られない。もっと意欲的に仕事に取り組めばいいのに」といったセリフを一度は耳にします。なんでその社員をそもそも雇ったのか、という問題もあると思いますが、すでにそこで仕事をしてくれている以上、新しい人を雇い入れるより、もっとやる気を出してもらうのが現実的で、いい方法でしょう。
やる気、意欲、モチベーション。いろんな言い方がありますが、要は、仕事にエネルギーを注いでいるかどうか、ということです。そしてそのエネルギーを「注がせる方法」を皆、知りたいと思っている。それもなるべくなら、「給料を上げる」という、容易に実現できない方法ではなく、もっと身近で、現実的な方法を使えればそれに越したことはありません。