Knowledge 人材開発とは何か? 人材開発の基本と今後、向かう道
今、企業価値を高めるため、見直されている「人材開発」。
基本となる5つの機能とは何か。
また、その効果を高め、経営に貢献するための「PDS」とは。
「攻めの人材マネジメント」にステップアップするための基礎知識をおさえておこう。
組織と人の成長を結びつける
職場問題、従業員についての問題が生じ、社会や顧客の信頼を失ってしまったーーそんなニュースを耳にすることが多くなりました。今後、企業価値を上げるうえで「人材開発」の重要性はますます高まることが予想されます。
また、「人材マネジメント(HRM:HumanResource Management)」は人事の仕事だけで完結するわけではありません。人事と人材開発の仕事が組み合わされて、初めて人材マネジメントが成立します。
では、人材開発とはそもそも何でしょう。「能力開発や人材教育とどう違うのか」と問われると、うまく答えられない人が多いのではないでしょうか。
一般的に、人材開発には2つの意味があります。第1の意味は「教育や訓練」です。代表的な手法としては「研修」が挙げられます。
第2の意味は「経営目的を実現するための“組織の成長”と“人の成長”を結びつける活動」です。
改めて、ここでは第2の「組織の成長と人の成長を結びつける活動」という広義の意味から、「人材開発」の基本を考えてみることにしましょう。
人材開発の5つの機能
組織全体が成長するためには、それぞれの事業が発展するように、人材をマネジメントしなければなりません。
そこで人材開発では、事業を担う個人の能力、組織(職場)の能力を伸ばし、組織全体の創造性や生産性、従業員の自発的な行動を高めていきます。その結果、目的実現のための戦略を効果的に遂行できるようになり、企業価値の向上が期待できるのです。
では具体的に、人材開発にはどのような機能が必要なのでしょうか。順に見ていきましょう。
人材開発の機能は次のように大きく5つに分けられます。
1. 経営企画や人事と協力し、人材をどのように活用するかについて企画・設計する機能
2. 人材開発上の課題を設定する機能