おわりに 果敢にフィードバックし 受け入れる人と組織の秘密
ビジネスパーソンの学びや行動変容は、大半が日々の仕事の中で受けるフィードバック(FB)から自身を省みることで起こると言える。そこで本特集では、FBの仕方や工夫、またさまざまに指摘し合う職場づくりのために人材開発部門や管理職ができることについて取り上げた。
内容が曖昧ではないか
最初に述べたいのは、FBの内容についてである。
「きちんと“こうしてほしい”とFBしているつもりなのに、メンバーの動きが変わらない」と感じているリーダーや上司は多いだろう。そういう人は多くの場合、FBが曖昧だと、「行動科学マネジメント」を提唱している石田淳氏(28ページ)は指摘する。
なぜなら、曖昧な言葉でFBをされても、多くの場合、相手は何をすればいいのかわからないからだ。「営業に行く前には○○の準備をしなさい」などと、明瞭で具体的な行動をFBする必要があるという。
これは少々教え過ぎに聞こえるかもしれない。しかし成果を出すために“望ましい行動”とは何かがわかるまでは、具体的にその内容を教えるべきだというのが石田氏の主張である。